「冬至の日にかぼちゃをなぜ食べるの?」
こんな疑問をもった事ありませんか^^?
かぼちゃを食べて、ゆず湯に入るのが
日本の伝統的な冬至の過ごし方です。
冬至に関連する記事はこちらをご覧ください。
「風邪をひかないようにかぼちゃを食べなさい!」
なんて大人に言い聞かされた経験もあるかもしれませんが、
風邪予防とかぼちゃは、いまいち結びつきませんよね。
寒い冬真っ只中の冬至に体を温めて、
風邪をひかないように食べるのであれば、
かぼちゃの他にもぴったりの食べ物はありそうです。
今回は、冬至にかぼちゃを食べる理由や由来について
調べてみます^^。
この記事の目次です
冬至にかぼちゃを食べるのはなぜか?
かぼちゃは、野菜の中でも栄養価が高く保存がきく食べ物だから
主な理由として・・・
■ 夏に収穫したかぼちゃを冬までとっておいても
傷むことなく、美味しく食べられます。■ 食べ物が少なく、栄養状態が悪くなりやすい
冬の貴重な栄養源として、かぼちゃは大切にされてきた。
今では考えられませんが、
昔の日本人はほとんどが農民で、
自給自足の生活をしていました。
今のように野菜の栽培技術や養殖技術がなかったので、
寒い時期になったら野菜は育たず、春から秋までに
蓄えたものを少しずつ食べて過ごしていました。
冬は食べられる物の種類が極端に少なくなり、
中でも野菜不足によるビタミン不足は深刻でした。
ビタミンは様々な野菜に含まれているありふれた栄養素ですが、
そもそもビニールハウスがない寒い冬には野菜は育ちません。
蓄えてある野菜も限られていて、少しずつ食べなければ
冬の間になくなってしまうので、切りつめているうちに
栄養状態が悪くなりがち。
しかし、かぼちゃには・・・
♦ ビタミン
♦ カルシウム
♦ カロテン
が、バランスよく含まれていて、
風邪や冷え性予防に効果があります。
昔の人は、本当によく知っていますよね・・・(+o+)。
凄すぎです!
ビタミンが発見されたのは20世紀ですから、
ビタミンのことがわからない状況で感覚で
かぼちゃの良さを感じとっていたのでしょう。
かぼちゃは太陽に似ているから、という理由
かぼちゃは外は深い緑や黒ですが、
中身は鮮やかなオレンジ一色で、
輝く太陽のようですよね。
かぼちゃには冬を乗り切る力があると考えられていたのです。
日本の古来の陰陽道に沿って考えると、
太陽が強い夏は陽、逆に太陽が弱まる冬は陰とされていました。
冬至は日照時間が最も短いので、
すぐ暗くなり冬の間でも特に陰の力が強まる日です。
そのため、死に近い日だとも考えられていました。
冬至といえばまだ12月末頃で、
明日から日が長くなると言っても、
冬のちょうど真ん中あたりです。
春もまだ遠く、日に日に減っていく食べ物を見れば
さぞかし不安が強かったことが簡単に想像できます。
つまり・・・
陰の力が極限まで強まった冬至の日
↓
「陽」の野菜であるかぼちゃを食べて陽の力を体内に取り込む
↓
邪気や死を退けられる
と信じられていたんですね^^。
冬至であっても、かぼちゃの食べ方に特別な決まりはなく、
甘辛く煮つけにして食べるのが一般的な食べ方になります。
ただ地方によっては冬至の行事食がある場合もあります。
北海道のかぼちゃしるこや、
東北地方のいとこ煮なんかは有名ですよ^^。
どちらも小豆を使った料理ですが、
小豆や豆は、邪気祓いの力があると
信じられている縁起の良い食品
だったので、かぼちゃと合わせて冬を乗り切れるように、
願いを込めて食べられていました。
運盛りとは?
運盛りとは・・・
⇒ 冬至の縁担ぎの1つで、「ん」が2回つく食べ物を
お供えすることで運を呼び込もうとした風習。
冬至は太陽が出ている時間が最も短い時間で、
翌日からはだんだんと長くなって春に近づいていきます。
短かった日照時間が伸びていく様子から
太陽が再び力を取り戻すように、不運が続いていても、
運気が上昇すると信じられていたのです。
この考え方を「一陽来復」と言います。
一陽来復で運が上昇する時期にもっと幸運に恵まれるように、
願いを込めて「運」がつく物を食べよう、というのが運盛りです^^。
運盛りで食べられていたのは以下の7種類の食べ物です。
・南瓜(ナンキン=かぼちゃ)
・金柑(キンカン)
・人参(ニンジン)
・蓮根(レンコン)
・銀杏(ギンナン)
・寒天(カンテン)
・饂飩(ウンドン=うどん)
他にも地域によっては、ミカンや大根も同じように
運盛りに加えられていました。
聞き取りやすくするために「ん」を「うん」と強調して
言うことから「ん」と「運」をかけたのでしょうね^^。
冬至にちなんだ食べ物はあるの?

かぼちゃを初めとした運盛りで食べられる物以外にも
冬至にちなんだ食べ物はあります。
あまりたくさん紹介すると、混乱してしまいそうですが、
それだけ昔の人にとって冬至は、
大切に過ごしたい重要な日だったということなのです。
一例をいくつか挙げてみます^^。
◆ 冬至粥
冬至粥とは小豆を入れたお粥のことです。
そもそも豆は「魔滅」にも繋がり、邪気を祓う力があると信じられていますが、
中でも小豆はその赤色にも邪気を取り除くとされていました。お祝いや節目にお赤飯を炊くのはこのためです。
小豆を食べることで、冬至までに体内に溜まった悪い物を祓おうとしたのです。◆ いとこ煮
いとこ煮はかぼちゃと小豆を合わせて煮たものです。
東北で冬至の行事食として古くから愛されてきました。小豆で悪い物を取り除いて、かぼちゃで運が上昇するように、
願いが込められています。ちなみにいとこ煮は、固いものをおいおい(甥)入れて、
めいめいに(姪)煮ていく様子から名前がついています^^。◆ かぼちゃ汁粉
こちらも同じくかぼちゃと小豆を組み合わせた行事食で、
主に北海道地域で食べられています。通常のお汁粉と同じように小豆を甘く煮て、
お餅のかわりにかぼちゃを入れるパターンと、
つぶしたかぼちゃに片栗粉を混ぜてお団子にして、
お餅のかわりに入れるパターンがあります。◆ こんにゃく
地域によってはこんにゃくを冬至に食べる場合があります。
この習慣を砂おろしといい、こんにゃくを食べて、
体内に溜まった砂や余計な物を出していました。小豆と同じように悪い物を取り除き体の中を清めて、
翌日からの幸運を取り込める準備としていたのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、冬至にかぼちゃを食べる理由や由来について
まとめてみました。
もう一度、簡単に書いておきますと・・・
◆ 冬至になぜかぼちゃを食べるのか?
①かぼちゃは、野菜の中でも栄養価が高く保存がきく食べ物だから。
②冬の貴重な栄養源として、かぼちゃは大切にされてきた。かぼちゃには・・・
・ビタミン
・カルシウム、
・カロテン
が、バランスよく含まれていて、
風邪や冷え性予防に効果がある。◆ かぼちゃは太陽に似ているから、という説
南方から伝来した食べ物ということあり、
かぼちゃには冬を乗り切る力があると考えられていた。◆ 運盛りとは・・・
⇒ 冬至の縁担ぎの1つで、「ん」が2回つく食べ物を
お供えすることで運を呼び込もうとした風習。運盛りで食べられていたのは以下の7種類の食べ物。
・南瓜(ナンキン=かぼちゃ)
・金柑(キンカン)
・人参(ニンジン)
・蓮根(レンコン)
・銀杏(ギンナン)
・寒天(カンテン)
・饂飩(ウンドン=うどん)
今の私たちには科学も発達し、
食材の中に含まれている栄養素もわかり、
必要な時にその食材などを食べたりしていますが、
先人の人は、そういう事をすでに知っていた
というのが本当に驚きです^^。
いよいよ冬も本番です。
冬至の時期もだいぶ近づいてきました。
意味や由来などを理解して冬至を過ごしてみると、
昔の人の苦労や気持ちがわかりやすいかもしれませんね。
この寒さに負けず、体調を崩さずに
この冬を乗り切りましょう!
冬至を過ぎれば、春も近いですよ^^。