みなさん、「 芒種(ぼうしゅ) 」という言葉を聞いたことはありますか。
見慣れない漢字、聞きなれない言葉だと思いますが、一年の中のある季節を表しています。
農作業が当たり前の時代の昔には、なくてはならいない存在だった芒種は、今でも季節の訪れを感じさせる大切な存在です。
今回は、芒種の意味や由来、子供向けの簡単な伝え方や、2019年はいつなのかを詳しくまとめてみましたのでぜひ参考にしてみてください。
芒種の意味は?

まず読み方ですが、「 ぼうしゅ 」と読みます。
二十四節気の9番目にあたります。二十四節気とは一年を二十四等分して季節の名前をつけたものです。
二十四節気は、中国から日本に伝わり太陰暦を元にした考え方でしたが、季節とのずれが生じてしまっていました。
現在は、月の動きではなく、太陽の動きから暦を作った太陽暦を使用しているので、季節のずれが生じることはなくなりました。
芒種は太陽黄経が75度になる日とされ、毎年6月6日頃だとされています。また次の節気である、夏至の前日(6月20頃)までの期間を指す場合もあります。
旧暦では五月を指し、この時期に降る雨のことを五月雨(さみだれ)、雨が降っている間に晴れることを五月晴れ(さつきばれ)と呼びます。
この時期は、全国的にも梅雨入りしている地域がほとんどです。じめじめとした気候の中、台風も始まりつつある季節なので、注意が必要になってきます。
芒種の由来は?

芒種の「 芒 」は、稲などの植物の先にある棘(とげ)の部分のことを指します。
芒種は、種まきに適した時期であるという意味を持っています。種まきを始めるということは、農作業をする上で始まりの合図でもあるので、ゆっくりと休んでいる暇がなくなるくらい忙しい日が続く、という意味もあったそうです。
現在では、早稲の種類も多くなってきたので、一概にこの時期に種まきをするということはなくなりましたが、昔は農作業をする上で欠かせない節気だったのがわかりますね。
芒種の季節の意味は?

二十四節気を、さらに約5日おきにわけて気象の動きや動物、植物の変化を知らせたものを七十二候と呼びます。七十二候は、気象や動植物の様子を短い文で表しているのが特徴です。芒種の七十二候は、このようになっています。
- 初候 蟷螂生(かまきりしょうず)6月5日頃
かまきりが卵からかえり生まれてくる頃です。小さな卓球玉ほどの大きさの卵から、何百匹の蟷螂の子供が生まれてきます。
- 次候 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)6月10日頃
蛍が光を照らし出す頃です。田舎の田んぼ道では、懐かしさを感じる光景でもあります。昔は腐った草が蛍になるというように考えられていました。
- 末候 梅子黄(うめのみきばむ)6月15日頃
梅の実が黄ばみ熟しはじめる頃です。初めは青かった梅も、黄色に変化し最後は赤く熟していきます。
芒種の時期は新しい命の誕生、成長を大きく感じることが出来る時期でもあるということがわかります。
芒種の時期には何を食べる?

芒種の時期に、必ず食べなくてはいけないという季節食は特にはありませんが、旬の食材を味わってみるといいでしょう。
芒種の時期では、夏野菜が出回ったりしていることもあります、葉野菜が旬と言われる時期でもありますので、
- さやえんどう
- 紫蘇(しそ)
- 三つ葉
- 大葉
- 茗荷
などの葉野菜が特に美味しいといわれています。調理もしやすく彩になる野菜です。
他には、芒種の時期になるとスーパーや八百屋などでたくさんの「 梅 」を見かけます。箱で買い求め、梅干しや梅酒にする方も多いのだそうです。
6月中旬ごろになると黄色い梅が出始めます。6月中旬前の梅は、青梅で梅干しには不向きですが梅酒を作るのには最適な頃合いです。
梅雨の時期に入ると、湿度も増えまた気温も下がり体調を崩しやすくなります。少しでも栄養がある旬の食べ物を食べて、健康に過ごせれるようにしていきたいですね。
子供への簡単な伝え方は?
芒種の簡単で、分かりやすい説明の例文を紹介したいと思います。
「今日は芒種っていう日なんだけど知ってるかな?
稲や麦や他の食べ物の種まきをする時ですよ!準備しましょう!ってお知らせをしている日なんだよ。
農業をしている人達にとっては、とても大事な日なんだよ。種をまくことで、実がなって食べられるようになるから、芒種っていう日は、農家さんだけじゃなくてみんなにも関係がある大切な日っていうことを覚えておこうね。」
このようにお子様に伝えてあげるとわかりやすいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
現在では、地域でも異なりますが芒種の一カ月ほど前に田植えは行われ、芒種の時期では田植え作業は終わっているのが一般的です。
これは、台風に影響を少しでも減らすなどの理由もありますし、機械作業がメインとなった現代では昔に比べ、田植え作業が早く終わることが出来るようになったからだと思います。
昔は、農作物が実をつけなくては生きるのに苦労する時代でしたので、秋には無事収穫を迎えられるようにと神様に願いながら田植えを行っていたようです。
現在でも、芒種の時期の神事は続けられているようです。食べ物に感謝をするとともに、主食でもある稲と関係のある節気なので、これからの時代も忘れないようにしていきたいですね。