「 穀雨 」という言葉を暦や、カレンダーで見かけたことはありませんか?
なんとなく意味がわかるようなわからないような・・。そんな気がしますが、しっかりとした意味や由来を知っている方は少ないかも知れません。今回は穀雨の意味や由来、子供へ説明など詳しくまとめてみました。
お子様と一緒に穀雨とは、自然とはどういうものなのか一緒に考えてみましょう!
穀雨の意味や由来は?
まず読み方ですが「 こくう 」と読みます。一年を二十四等分して季節の名前をつけた、二十四節気のひとつです。順番で言えば、二十四節気の6番目に当たります。
中国から日本に伝わってきた二十四節気は、太陰暦を使用した考え方でしたが、季節とのずれが生じてしまっていました。
現在は月の動きではなく、太陽の動きから暦を作った太陽暦を使用しているので、季節のずれが生じることはなくなりました。旧暦は使用されなくなりましたが、二十四節気は今もなお、受け継がれている大事な名称なのです。
穀雨の意味は、種まきや田植えの時期に降る雨のことを指しています。【 下記はyoutubeより参照しています 】
「 百穀春雨 」とも呼ばれており、穀物に元気を与えると昔から言われています。この時期に合わせ農作業の準備を本格的にはじめていたそうです。
暦についての解説書でもあるこよみ便覧には、穀雨のことを「 春雨降りて百穀を生化すればなり 」と記載されております。
簡単にまとめると、農作業の種まきの好期の目安、雨が降ってたくさんの穀物たちが潤ってくるという意味を、持っています。ちょうど、この時期に田植えや種まきをはじめると、穀物が大きくなる時期に雨に恵まれることになります。
穀雨は、春の最後の時期でもあるので、次の立夏は、夏の季節に移り替わります。
穀雨の日は、必ずしもこの日と決まっているわけではありません。地球からみた太陽の一年の軌道(黄道)によって決められます。太陽が黄道の30度を通過した時が、穀雨だと言われています。
穀雨は、その日のことを表現する他にも次の立夏までの期間のことも指しますが、基本的には黄道が通過した日のことを指します。
穀雨の季節の意味は?

二十四節気を、さらに約5日おきにわけて気象の動きや動物、植物の変化を知らせたものを七十二候と呼びます。
七十二候は、気象や動植物の様子を短い文で表しているのが特徴です。穀雨の七十二候をまとめてみました。
- 初候 葭始生(あしはじめてしょうず)4月20日頃
葭が芽吹き始める頃です。夏に背を伸ばし秋になると金色のような穂をなびかせるのが特徴です。
- 次候 霜止出苗(しもやみてなえいずる)4月25日頃
霜が無くなり苗代で稲の苗が大きくなる頃です。苗にとって霜は天敵だとされています。
- 末候 牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日
牡丹が満開に咲き誇る頃です。「百花の王」とも呼ばれるほど鮮やかで上品な花です。
穀雨の時期には何を食べる?

よく小さいころ、歌で聞いたこともある人も多いかもしれませんが、穀雨の期間の終わりに、八十八夜を迎えます。
八十八夜というのは、雑節の一つであり、気候と風習にあわせる形で二十四節気を補うという意味で生まれました。
八十八夜は、立春を一日目として数え、88日目のことを言います。夏に向け、春最後の霧が多く発生するために農作物には注意を促す日でもありました。
八十八夜に手で一つ一つ積んだ茶摘みは、古くから不老長寿の縁起物とされてきました。味も別格のようで、この時期の茶葉は新芽であり、冬に蓄えた成分をたっぷりと含んだものです。
お茶のうま味成分と言われているテアニンが多く含まれ、地元の人から全国各地で八十八夜茶を待つ人は多いそうです。
お茶以外にも、穀雨の時期に旬を迎える食材を食べてみるのも、いいかもしれませんね。
- よもぎ
- アスパラガス
- びわ
- アジ
- サザエ
特に、アスパラガスはこの時期が旬で北海道産、佐賀県産は有名どこです。この時期は旬といっても、ハウス栽培が多い時期ですので、5月中旬まで待てばもっと新鮮なものが食べられます。
あまり知られていない、光を遮断して作られたホワイトアスパラもこの時期が旬ですので、ぜひ生で購入して食べてみてください。
子供への簡単な伝え方は?
お子様に、穀雨を説明してあげる際には、このように伝えてあげるとわかりやすいと思います。
「 今日は穀雨っていう日なんだけど知ってる?
この時期に降る雨が、いつも食べている豆やじゃがいもを育てくれるんだよ。
この時期に農家さんは種まきの準備をするの。農作業を始めてくださいね!ってお知らせしてくれているんだよ。 」
このような形で簡単に教えてあげましょう。
いつも当たり前のように食べている食べ物は、農家の方が大事に育ててくれた食べ物、大地の実りを与える雨が、必要不可欠な存在だということを、小さいお子様たちにもわかりやすく伝えてあげたいですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
この時期になると、随分と暖かくなり、農作業なども本格的に始まります。
そしてゴールデンウィークも間もなくやってきますので、家族でどこかへお出かけをしたり、旅行などに行かれるにはちょうど良いタイミングです。
また穀雨は、春雨が降る時期なので、お庭でのガーデニングなどを始めてはいかがでしょうか。育てやすいお花や、野菜やハーブなど育てやすいものからチャレンジしてみてもよいかも知れませんね。