「 小春日和(こはるびより) 」という言葉を聞いたことはあると思いますが、意味や使い方まで把握している方は少ないと思います。
知らずに使用して間違いを指摘されてしまう前に、小春日和の正しい使い方をマスターしておきたいですよね。
今回は、ビジネスの場でも大活躍する小春日和をまとめてみました。子供にもわかりやすく伝えて、家族みんなで小春日和の時期を穏やかに過ごしたいですね。
小春日和の意味は?

小春日和という言葉だけを見ると、春の表現の何かだろうと解釈してしまいますよね。
しかしこれは間違いであって、小春日和の小春は春を表現する言葉ではありません。小春は、旧暦での10月のことを指す異称のことです。
小春という言葉自体は、晩秋から冬に使われる季語だということになります。
小春日和の時期は?
小春日和は、春の表現ではないと分かったところで、時期はいつなのでしょうか。
旧暦の10月を新暦に当てはめてみると、10月下旬から12月中旬ごろまでとなります。
時期の範囲が広いのは旧暦には閑月がはさまれていたからです。閑月がある歳は一年が13カ月になる計算となり、現在使用されている暦と比べてみると、範囲が広くなってしまいます。
昔の冬は10月、11月、12月という考え方でしたが、現在では10月は秋のイメージであり12月の中頃は初冬のイメージが強いですね。
イメージでは、小春日和は秋ですが、実際は初冬頃を表現する言葉とも言えそうですね。
小春日和はいつ使う季語?

春という言葉が入っていますが、春の季語ではなく冬に使用する季語となります。
旧暦の10月は、現在で言う11月にあたります。旧暦での冬は10月から12月だったので、現在の冬の期間とは若干異なります。
旧暦と新暦の間は、約一カ月ほどのずれがあるので、旧暦に合わせて小春日和の表現を使用してしまうと、違和感を感じてしまいますね。
取引先に送るメールや手紙には、冒頭の挨拶文が欠かせませんが、小春日和を使用する場合には10月下旬から11月にかけての挨拶に使用するのが一般的でしょう。
例えば、手紙の書き出し分に次のような文章を使うとしっくりときますよ。
- 小春日和の中でも、外を出かけると同時にひんやりとした空気を、感じられる季節になりました。
- 小春日和の候、ますますご清祥のことと存じます。
など、このような表現でしたら、秋~冬へと移り変わりの時期に、小春日和という言葉を使用しても、違和感がなく使用できますね。
また俳句で使用する場合には少し異なり、現在の日本では12月から2月頃までが冬という認識ですが、旧暦では10月、11月、12月が冬です。
なので、俳句の世界では11月にあたる小春日和は「冬」を指す言葉になります。秋の季語でも春の季語でもないので、間違えないで使用したいですね。
小春日和を英語で言うと?

小春日和を英語で言うと・・・
Indian summer day
となります。語源はインディアンと関係しており、ネイティブアメリカンが住む地域にも、日本に似た小春日和があり、白人移住民の多かった東部と比べ、気候がいい日が多く冬でもぽかぽか暖かかったからという説があります。
小春日和は英語に直すと、夏という季語も入ってくるので、日本人にはちょっとごちゃごちゃしてしまいそうですね!
子供への簡単な伝え方は?
お子様に小春日和ってなに?って聞かれた時には、例文を参考にしてわかりやすく伝えてみましょう。
「小春日和っていうのは、寒い冬がちょっとずつ近づいてくる少し前に、春のお天気みたいにポカポカした日が続くこを言うんだよ。
春ではないけど、春みたいに暖かいね。今日は元気に外で遊んでみようか!」
こんな感じで、時期は春ではないけれども、春のように暖かいということをわかりやすく伝えてあげましょう。
寒くなると外で遊ぶ機会も少なくなると思うので暖かく天気が良い日は積極的に外で遊びましょう。
おわりに
いかがでしょうか。
春という言葉が使用されているので、春のことを指す表現だと勘違いしてしまいますが、実際は晩秋から初冬にかけて使う言葉だったのは驚きです。
ビジネスの場などで送る手紙には、季節の挨拶として活用していきたいですね。
小春日和が過ぎたら、冬はすぐにやってきますので、温暖の変化には気をつけて体調管理を維持していきましょう。