「どうしてこどもの日に、こいのぼりをあげるの?」
「鯉のぼりの意味はなに?」
こんなことを聞かれたら、どうやって答えますか^^;?
ゴールデンウィークの後半にあたる子供の日。
まとまった休日になるので、毎年どこにでかけようかワクワクする時期ですが、
男の子がいるご家庭は、端午の節句の準備もあります^^。
空高く泳ぐような大きさの物は、あげるだけでも大仕事なので、
大人からすると気が重い作業かもしれませんね。
しかし、ひな祭りと対照的にいかにも男の子らしいイベントですから、
鯉のぼりは忘れずに用意したいですよね。
しかし、子供は好奇心が旺盛。
改めて、鯉のぼりを あげる理由が聞かれるかもしれません。
そこで、今回は鯉のぼりを飾る由来や意味について紹介します。
最後に子供向けの説明の例も記載してありますので、参考にしてください。
この記事の目次です
鯉のぼりを飾るようになった理由は?

端午の節句とは、男の子の健やかな成長を祈る日。
そのため、鯉のぼりも一言で言ってしまうなら、
神様へ男の子が生まれたことを知らせて、
加護を祈るためのものなのです。
ただ、これだけではイメージが湧きづらいと思うので、
鯉のぼりの歴史をふまえて、詳しく見ていきましょう。
鯉のぼりの由来は?
はい、江戸時代にまで遡ります^^。
戦国時代を終えて、江戸幕府が日本を治めるようになると、
端午の節句 は将軍をお祝いする日となりました。
端午の節句は、香りの強い菖蒲を飾って厄除けをする習慣があったので、
「勝負」を連想させ、将軍に縁起がいいと考えられたのです。
将軍に男の子が誕生すると、将軍と合わせて、
その男の子のお祝いもされました。
この将軍の子供をお祝いするときに、
のぼりを立てる習慣がありましたが、
これがやがて徳川家に限らず、一般の武士へ浸透。
男社会である武士の家にとって、やはり男の子は、
待望の跡取り候補だったのでしょうね。
男の子のお祝いののぼりに、その家の紋が
付いたのぼりがあげられました。
政治が安定し、国全体が豊かになると、のぼりの風習を、
庶民たちも取り入れるようになります。
ただ、 武士ほど「家」にこだわりがない庶民は、
家紋ののぼりをあげる気にはなりません。
そこで考えだされたのが鯉のぼり。
鯉は錦鯉などの優雅で美しいイメージに反して、
さほどキレイでない場所でも生きられるたくましい魚。
鯉のように、どんな環境でも逞しく、
大きく成長してほしいと願いが込められています。
「登竜門」というものがあります。
龍門という急流を最後まで登りきると、
竜になれるという場所がありました。
多くの魚は途中で脱落してしまいましたが、
鯉だけが龍門を登りきり竜となれたというお話。
登竜門の鯉にあやかって、
立派に出世しますように、との意味もあります。
子供の健やかな成長と、 立身出世、
今も昔も親心に大した違いはないのかもしれませんね。
鯉のぼりの意味は?
鯉のぼりは、上から大きな黒い鯉、赤い鯉、青い鯉、
そして一番下に吹き流し、という5色のヒラヒラしたもの、
というのが一般的な順番です。
今は、「黒は父親、赤は母親、青は子供」という風に
話をされることが多いですが、赤が母親と言われるようになったのは、
実は昭和に入ってからとごく最近。
鯉のぼりの歌を思い出してください。
参照:youtubeより
「大きな真鯉はお父さん。小さい緋鯉は子供たち」と
歌っていますよね。
そう、鯉のぼり母親は登場しないのです。
ただし「男の子のお祭りだから女性は混ぜてもらえないんだ」
と寂しく思う必要はありません。
鯉 のぼりに女性がいないのは、男尊女卑によるものではなく、
端午の節句には、女性には別に大切な役割があったからなのです。
6月のちょうど梅雨。
庶民のほとんどが農民で自給自足である日本にとって、
梅雨は実りに影響を与える大切な時期です。
そのため端午の節句は、女性たちが身を清めて水の神様に祈り、
五穀豊穣を願う神事を行っていました。
この神事を終えた後は、1年に1度のお休みとして、
遊びに行くことが許されたそうです。
女性が羽を伸ばして家にいないので、
鯉のぼりに女性がいないのですね^^。
端午の節句の厄除けに使った菖蒲が勝負と繋がり、
男の子の日として認 識され始めたのは、
武士が権力を持ち始める鎌倉時代頃から。
この頃から女性の権利はどんどん小さくなり始めましたが、
戦争をしない農民たちの間には男尊女卑の考え方は、
弱かったのかもしれません。
ただ高度経済成長で農業に従事することが、
一般的ではなくなったので、
現在では緋鯉が母親のシンボルとなりました。
鯉のぼりの色は?
残りの青い鯉が子供となりますが、これも現代風にアレンジされ、
子供が2人いればさらに鯉のぼりを追加することも。
その場合は、男の子なら緑、女の子なら
ピンクやオレンジを追加するそうです。
女の子の分も用意できたら、妹やお姉ちゃんが蚊帳の外の気分にならずに
済んで家族全員で楽しめそうで すね^^。
こんなにイロイロな色の鯉のぼりを使うと、
伝統として間違ったものになるのでは、
と心配になるかもしれませんが、
実は鯉のぼりの色はもともと決まっていません。
一番上の真鯉だけは父親ということで黒と決まっていましたが、
後は明治、昭和、と時代とともに順次増えてきたものなので、
神経質になる必要はないのです。
吹流しの色の意味とは?
基本的な鯉のぼりにセットになっている1番下に飾る
吹き流しの色には意味があります。
そもそも吹き流しは魔除けを意味し、
日本の古来の民間信仰の五行説に基づいたものです。
五行説とは世界の全てが「木・火・土・金・水」の5つの要素で
構成されているという考え方。
◆ 木 ⇒ 青
◆ 火 ⇒ 赤
◆ 土 ⇒ 黄
◆ 金 ⇒ 白
◆ 水 ⇒ 黒
五行がお互いに作用することでバランスを保ち、
悪い物を寄せつけないという状態を意味します。
子供への簡単な説明はこれだ!
鯉のぼりをあげる理由を、その歴史をふまえながら説明しましたが、
振り返ってみるとかなり長いですよね。
これまでの話をまるごと子供に話しても、
途中で集中力が切れるか理解が追いつかなくなります。
「幕府ってなに?」「五穀豊穣ってなに?」と
次々と気になるワードが出てきて、
鯉のぼりをあげる理由どころではなくなる可能性が。
そこで、江戸時代や幕府のような難しい単語が出てくる 部分は、
ばっさりと省略して説明するのがオススメです。
「鯉のぼりの鯉はお魚のコイ。コイは今は公園や学校の池で、
キレイな色のものが見えるけれど、
実はとても強いお魚なの。汚い川でも元気に泳いで成長できるし、
山を削ってできた急な川を登って、
竜になったというお話もあるくらいなんだよ。鯉みたいに、どんな大変なことや苦しいことにも負けずに
乗り越えて、カッコいい大人になれるようにって願って飾るんだよ」
というように、起源や歴史には触れず、
鯉のぼりをあげる理由を中心に説明すると、短時間で済みます。
よろしければ参考にしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、こどもの日に鯉のぼりをあげる理由や由来と
子供への説明についてお伝えしました。
簡単におさらいしますと・・・
◆ 鯉のぼりを飾るようになった理由は?
⇒ 神様へ男の子が生まれたことを知らせて、
加護を祈るためのもの◆ 鯉のぼりの起源は?
⇒ 江戸時代にまで遡ります。
↓
端午の節句には将軍(徳川家)をお祝いしていた。
↓
将軍に男の子が生まれた際には、幟(のぼり)を立て、
一緒にお祝い。
↓
いつの間にか武士も幟を立ててお祝いすることが浸透。
↓
幟と一緒に家紋の上りもたてる。
↓
その後、一般庶民も幟の風習が広まる。
↓
家紋がない庶民は、代わりに鯉ののぼり を使う。
⇒ 健やかな成長と、立身出世を願う◆ 鯉のぼりの意味は?
⇒ 上から大きな黒い鯉、赤い鯉、青い鯉、
そして一番下に吹き流しで構成。
↓
昔は、歌でもあるように、父、子供が出てくるが、
母親(女性)がいなかった。
なぜなら、端午の節句には、女性は五穀豊穣を願う
神事を行っていたから。
↓
この神事を終えた後は、1年に1度のお休みだったため、
遊びに行くことが許されたそう。
↓
現在は、黒は父親、赤は母親、青は子供となっている。◆ 鯉のぼりの色の意味は?
⇒ 特にはありません。◆ 吹流しの色の意味?
⇒ 吹き流しは魔除けを意味。
日本の古来の民間信仰の五行説に基づいている。
↓
⇒ 意味は・・・・
五行がお互いに作用することでバランスを保ち、
悪い物を寄せつけないという状態を意味する。
⇒ 色は・・・・
・木 ⇒ 青
・火 ⇒ 赤
・土 ⇒ 黄
・金 ⇒ 白
・水 ⇒ 黒
今も昔も、子供の成長や見守ることは
変わらない親の深い愛情ですね^^。
こどもの日の由来などは、こちらを読んでみよう^^!
ぜひ、素敵なこどもの日をお過ごしください。