「潮干狩りの貝毒って何だろう?」
「どんな症状なの?」
こんな疑問を持たれた方いませんか?
潮干狩りに行かれる方は、ぜひ知っておいた方がいいと思います^^。
暖かくなってくると潮干狩りシーズン到来ですよね。
家族でとった貝をたっぷり入れたお味噌汁や、
酒蒸しはやはり格別。
潮干狩りが恒例行事となっているご家庭も、
多いのではないでしょうか。
しかし、貝を食べて腹痛などの体調不良を
起こすことがあります。
食べ物を食べて具合が悪くなると、鮮度が問題のようなイメージですが、
古くなくとも人体に有害な貝毒を持っていることがあるのです。
潮干狩りで取ってきた貝に貝毒があることを
知らないまま食べてしまうと、体調不良になります。
そんなことになれば、楽しかったはずの思い出が台無しです。
潮干狩りを楽しむ前に、貝毒の症状や対策について、
あらかじめ確認しておいてはいかがでしょうか^^。
この記事の目次です
貝毒とは何?
貝毒とはその名の通り貝が持っている毒のこと。
多くの2枚貝が貝毒を保有しているので、
ホヤのように滅多に口にしないものから、
牡蠣やアサリなど、一般的に食卓にのぼる貝が原因で
中毒症状が見られることもあります。
以前、大阪湾の貝から基準を超える貝毒が検出され、
出荷が規制された年もありました。
ただし、貝毒といっても毒を持つ貝そのものが、
自分の体内で毒を作りだしているわけではありません。
海中にいる植物プランクトンの、ジムノディウム属と、
アレキサンドリウムなどの有毒プランクトンを
食べるうちに徐々に毒がたまります。そして、私たちが口にする頃に、少しずつ毒が蓄積され、
貝そのものまで毒となっていると中毒をおこしてしまうのです。
これが一般的に貝にあたる、という状態。
ちなみに、貝を食べて体調を崩すというと、
貝毒よりもノロウィルスが有名ですね。
実際、貝毒の症状にもノロウィルスと
よく似た症状が見られることがありますし、
ノロウィルスの感染経路は牡蠣が有名ですが、
ホッキ貝やアサリなど他の2枚貝も、
ノロウィルスを保有しています。
そもそもノロウィルスは人の体内で爆発的に増えるウィルス。
そのため、人の生活排水に混入していたノロウィルスが海水へ流れ、
その海水を貝が飲むことでノロウィルスを保有するのです。
貝毒のように、プランクトンが保有しているわけではありません。
また、貝毒は加熱しても毒の性質が残ったままなのに対し、
ノロウィルスは85℃で1分加熱すれば死滅します。
ノロウィルス対策は加熱がポイント、
と言われるのはこういうわけです。
ノロウィルスの中で牡蠣がとりわけ被害が多いのは、
他の貝に比べて生で食べる機会が多いからとも言えるでしょう。
どんな毒があるの?どんな症状なの?

食中毒だから、ちょっと下痢と熱が出るだけでしょ、
なんて侮ってはいけません。
貝毒と言っても、表面化する症状には種類があるのです。
海外では、記憶喪失の症状が見られたという例も。
食中毒で記憶喪失なんて信じられませんよね。
では日本で症例が出たものを中心に、
貝毒の種類について具体的に見ていきましょう。
下痢性貝毒
潜伏期間 : | 口にして30分ほどたった頃~3,4時間 |
症状 : | 嘔吐や下痢や腹痛を引き起こします。 |
対象の貝 : | ムール貝、アサリ、ホタテ、牡蠣など。 |
古い食べ物を食べたことによる食中毒や、
ノロウィルスが原因で発症する症状とよく似ているので、
素人では区別が難しいかもしれませんね。
過去に下痢性貝毒で死亡した例はなく、
3日ほどで回復することがほとんど。
とは言え、下痢性貝毒は集団食中毒の危険性かあり、
日本を始めとした先進国は貝が保有している毒が、
人体に有害なレベルに達していないかどうかを、
毎年チェックしています。
20世紀以降は、日本では下痢性貝毒に人が発症した例がないほど、
きちんと管理されています。
麻痺性貝毒
潜伏期間 : | 食後30分~3,4時間。 |
症状 : | 手足や顔面、口、舌と全身にしびれが現れる。 症状がひどい場合は言語や運動機能に支障をきたす。 さらに重症の場合、呼吸困難で、死亡する可能性もあります。 |
対象の貝 : | ホタテ、ムラサキガイ、ムール貝、牡蠣、アサリ、ホヤなど |
生命に関わる中毒症状なので、貝を食べて痺れるようであれば、
できるだけ早く病院にいきましょう。
貝が残っているなら病院に持っていくようにしてください。
麻痺性貝毒を保有していることがあるので、紹介しておきます。
アサリ毒
潜伏期間 : | 食後24時間~48時間 |
症状 : | 悪寒、便秘、嘔吐などの症状に加え、 必ず打ったときのように皮下出血班が表れる。 そのまま放っておくと、2日ほどで歯茎や鼻から出血し、 ひどいと、1週間ほどで錯乱し、死に至ります。 |
対象の貝 : | アサリ、牡蠣、カガミガイなど。 |
食中毒のイメージとはかけ離れた、まるで毒キノコでも食べたような、
症状に近いかもしれません。
どうして貝が毒を持つの?

貝毒とは、貝がもともと持っているものではなく、
貝のエサとなる植物プランクトンが保有している物質です。
植物プランクトンはとても体が小さいので、
持っている毒も微量。
保有している状態では問題ないのですが、
貝など植物プランクトンを捕食する他の動物の体内で濃度が高まり、
それを食べた人が中毒症状を引き起こすのです。
貝が食べる植物プランクトンの毒が貝毒の正体なので、
貝の鮮度そのものは関係ありません。
貝が新鮮であろうとも、中毒症状を引き起こす
危険性があるので、とれたてが食べられる潮干狩りにも、
貝毒の危険性があります。
ただし、貝もプランクトンの毒をどんどん体に
残しておくわけではなく、外に排泄していきます。
排泄するスピードと、プランクトンを食べて
毒を体に蓄積するスピードのバランスによって、
貝毒があるかどうかが決まってくるのです。
一般的に、ムール貝やホタテ貝は毒が留まっている期間が長く、
牡蠣は早く排泄する傾向があります。
有毒なプランクトンは、海水の温度が
上昇するる4月から発生し始めます。
そのため、春先に各地の地方自治体が行うのが、
海水や貝を採取し、毒がないかどうかの検査。
こうした事前検査などの徹底的な安全管理のもと
販売されているので、貝毒の危険性はありません。
もし、集めた貝が毒を持つ貝だとしたら?
貝毒は北は北海道、南は沖縄まで広い範囲の問題。
例えば、北海道の養殖ホタテ貝は
麻痺性貝毒が毎年検出されています。
とは言え、ホタテ貝が毒を溜め込むのは、
ウロと言い一般的には食べる部分ではありません。
私たちの口に入る前に除去されており、
食べても食中毒になる心配はないので
安心してくださいね。
そして、先ほど触れた通り、
各地の地方自治体が、4月頃に貝に問題がないかを
チェックしています。
一般的に潮干狩りシーズンは、4月~5月頃と
ちょうど地方自治体のチェックが終わった頃。
潮干狩りが行われる地域も、貝毒の有無の検査をきちんと行い、
それによって潮干狩りを行うかどうかを判断しています。
また、毎年の貝毒情報は地方自治体のホームページや、
ニュースなどで発表されているので、
潮干狩りの計画を立てる際の参考にすることもできます。
ただ、貝で食中毒になるかどうかは、
毒を蓄積するスピードと排泄するスピードが関係しており、
タイミングが悪いとあたってしまうことは、
全く有り得ないわけではありません。
食べて異変を感じたら貝を持参して、病院にいきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、潮干狩りでの貝毒の症状や対策について
調べてみました。
せっかく楽しく獲ってきた貝で貝毒にかかったなんて
いやですよね^^;。
潮干狩りに行く前に・・・
① 潮干狩りに行く場所の確認
② 行く潮干狩り場所の貝毒の確認
⇒各自治体や、漁協などのホームページや
電話での確認をする
③ 干潮時間の確認
④ 潮干狩りに持っていく物の確認
上記だけは、最低限事前に確認しておきましょう。
ちなみに、潮干狩りと言えば、こちらの記事も必読です^^!
家族や友達と楽しく潮干狩りが出来ますように^^!
皆様の参考になれば、幸いです。