「なぜお彼岸にお墓参りするのかな?」「最近、お墓参りに行けてないなぁ。」などと思っている方いませんか?
ちゃんと先祖供養のために、お墓参りをされている方は全く問題ありませんが、実家より離れて一人暮らししている方や、忙しくてなかなかお墓参りが出来ない方もいらっしゃると思います。
お墓参りに行く時期と言えば、お彼岸、お盆、年末年始などに限られますよね。
今回は、お彼岸になぜお墓参りをするのかを調べてみます。由来も合わせて調べてみました。
この記事の目次です
お彼岸とは?由来は?
彼岸とは・・・・「波羅密多(ハラミタ)」を意味する到彼岸に由来する仏教用語です。
サンスクリット語でparam(彼岸に)ita(到る)という意味になり、彼岸へたどり着くことを意味します。
この世では、私たち生き物はさまざまな執着や迷いを抱えながら生きています。
こうした煩悩や執着を川で表現して、私たちが生きているこの世を此の岸、もしくは此岸(シガン)と呼び、反対側を彼の岸、彼岸(ヒガン)と呼びます。
彼岸にたどり着くためには、迷いや煩悩を捨て去って川を越えなければなりません。
つまり・・・・彼岸とは迷いや煩悩がない状態でなければたどり着けない「悟りの境地」のことなのです。
お彼岸っていつ?
お彼岸とは・・・・・春分の日と秋分の日を真ん中にし、それぞれの前と後ろの3日ずつを含めた計7日間を言います。
大体ではありますが・・・・春のお彼岸が3月17日から23日前後、秋のお彼岸が9月19日から25日前後ということになります。
春分の日も秋分の日も毎年少しずつ変わりますが、おおよその目安は、春分の日は3月21日、秋分の日は9月23日頃になります。
お彼岸にお墓参りするのはなぜ?
お彼岸の時期にお墓参りや仏教の行事をするのは、日本独特のもの。
古来中国から伝来した仏教が日本で独自の進化を遂げるうちに、浄土思想という考え方が出てきました。
浄土思想とは・・・・・成仏すれば、一切の苦しみや苦労から解放されて、死後安らかに極楽浄土で暮らしていけるという考え方を言います。
阿弥陀如来が治める極楽浄土は、遥か西にあると考えられていました。
春分や秋分は昼と夜が同じくらいの長さになり、太陽が真東から昇って真西の方角へ沈みます。
真西へ沈みゆく太陽を眺めながら死語の安らかな世界、つまりは極楽浄土に思いを馳せたのです。
煩悩や執着を捨ててやっとたどり着ける境地の彼岸が、極楽浄土と混同され、やがて亡くなった人たちが住む世界も彼岸と表現されるようになりました。
昼と夜の長さが等しいお彼岸の時期は、この世とあの世が繋がりやすいとされ、亡くなったご先祖を供養する時期にもなりました。
現在でも、お墓参りはお彼岸の定番行事とされていますし、お彼岸には特別な法要を行うお寺もあります。
国民の祝日に関する法律でも、秋分の日は「先祖を敬い、亡くなった人を偲ぶ日」とされています。
本来の意味合いから変化しても、祖先を大切に思う気持ちは、脈々と受け継がれているのです。
また、お彼岸の真ん中の春分の日や秋分の日をご先祖を偲ぶ日として、残りの6日を修行する期間ともされています。
この修行を六波羅蜜(ろくはらみつ)といい、布施、持戒、忍辱、精進、智慧、禅定の6つの徳を毎日1つずつ習得する期間としました。
日蓮宗の開祖の日蓮は、「彼岸の時期は、善いことも悪いことも大きく評価されるから、悪事を慎んで善行にはげむように」とも書き記しています。
お墓参りのマナーと作法はあるの?
お墓参りは、子供の頃から周りの大人のふるまいを見ながらなんとなく似たようにやっている人が多いと思います^^。
筆者もそうです・・・・^^;。
お墓参りの作法とは?と考えるとすらすらと答えられる人はなかなかいないのではないでしょうか。
親しい身内だけならいいですが、少し遠い親戚や義両親など、よそのお宅の人とお墓参りするときに気づかずマナー違反をしてしまうかもしれません。
お墓参りの厳密な作法は、宗派や地域によって細かく別れますので、絶対的に正しい作法というものはありません。
一般的にこうする人が多いよ、くらいの気持ちで読んでくださると幸いです^^。
お墓参りの流れ

まず、お墓参りの時間帯から見ていきましょう。
午前中や早朝に行く人が多いかと思いますが、必ずしも朝に行く必要はありません。
昔は、他の用事を済ませてお墓参りをすると、ご先祖より他のことを優先したとして、ご先祖に失礼にあたると考えられていました。
このため、昔は早朝に真っ先にお墓参りしていたのです。この考え方の名残で、お墓参りは午前中にしなければ、となんとなく考える人も多いですが、最近では時間にこだわりなくお墓参りする人が増えています。
お墓参りの際の服装は?
お墓参りの服装も、特に決まりはありません。
お彼岸やお盆のお墓参りというと、改まった服装にするべきと考えるかもしれませんが、お墓の掃除は意外と肉体労働。
スーツのようなピシッとした服装では、汚れが気になりますし、動き辛いので、思うように掃除ができません。
特に決まりはありませんが、肩肘張らずカジュアルな服装でお墓参りにいきましょう^^。
お墓参りの具体的な手順とは?
次に、お墓参りの具体的な手順を紹介します。
■ お墓参りの前にお墓を掃除します
■ 持ってきたお花を供えます
お彼岸やお盆の時期は、先にお参りした人のお花がキレイな状態で残っていることがあります。
この時は、お水だけ変えて傷んでいるものを取り除いて、新たなお花を隙間から差しましょう。
入りきらない場合は、古いお花を全て取り除いてもいいですし、新たなお花をお墓の横に置いても構いません。
■ お供え物をします
お饅頭など、そのまま置くと汚れる場合は、半紙を用意して、半紙の上にお供えします。
お参り終わったら、お供えは忘れず持ち帰りましょう。虫やカラスが寄ってくる原因になります。
■ 線香に火を着けて火をお供えします
火を着ける道具はろうそくやマッチ以外に、ライターでもマナー違反ではありません。
ただ、火を消すときには、吹き消すのではなく、必ず仰いで消すようにします。
口は嘘をついたり、殺した生き物を口にして汚れているので、仏様に向けてはならないとされています。
■ 合掌してお参りします
墓石よりも低い姿勢でお参りします。
■ 消化と後片付けをして終了です。
以上が、具体的なお墓参りの手順です。
一般的にこうする人が多いよ、くらいの気持ちで読んでくださると幸いです^^。
おわりに
いかがでしたでしょうか? 今回は、お彼岸の意味や由来、なぜお墓参りをするのかについて調べてみました。
お彼岸によく食べるおはぎとぼたもちの意味や違いについては、こちらをご参照ください^^。
私の中では、その時期にお墓参りをするのがいいと思いますが、毎年、一回だけでも自分が行けるタイミングで行けばいいのかなと思っています。
どうしても、仕事などでお彼岸に休みが取れないなどもあると思います。
筆者もその一人でして、毎年時期がずれますが、必ず、最低でも年一回はお墓参りをするようにしています。
先祖を供養することが一番の目的だと思っているので、今となっては時期はずれてもいいやと思っています^^;。
出来る限りは時期は合わせたいですけどね。
皆様の参考になれば幸いです^^。