「お年玉の意味って何?」
「いつもお年玉を渡すだけでは、意味がないなぁ~」
と思っている方、いませんか?
お正月は馳走が食べられてお年玉ももらえる、
子供にとって楽しい行事です^^。
おせち料理やお正月飾りに1つ1つ意味があるように、
お年玉も意味があります^^。
しかし、大人の方もお年玉はそういうものだとしか捉えておらず、
慣習としてなんとなく毎年お年玉を用意していることも多いです。
そんなお年玉の由来や意味を子供に簡単に説明できるよう
改めて紹介します。
お年玉を子供に簡単に伝えるには?
お年玉は、お金を渡すという風習なので、
「お年玉=特別なお小遣い」と楽しみにしている子供も多いですね^^;。
しかし、「お年玉ってなに?」と改めて聞かれて答えられないと、
いつまでも子供にとってお年玉はちょっとリッチなお小遣いのまま。
子供の笑顔は見ていて幸せとは言え、
できればお年玉の意味も知ってもらいたいですよね。
そこで、お年玉を子供が理解しやすいようにシンプルな説明方法を考えていきます。
「お正月は、年が明けただけじゃなくて、
家族を見守ってくれる神様が家に下りてくるお祝いでもあったの。今でも鏡餅は家に飾るよね?
鏡餅は、家に下りてきた神様が、神様の力を宿してくれるんだよ。お年玉はもともとこの鏡餅だったの。
皆で神様の力がつまったお餅を分けて食べて、
1年の幸せを願ったの。今はお餅じゃなくて、お金だけれど、
同じように○○ちゃんが1年幸せでいるように
願いが込められているんだよ。だから、くれた人に感謝して大切に使おうね。」
子供が集中して聞けるようにできるだけ短く説明しましょう^^。
お正月は歳神様を迎える行事ですが、
歳神様そのものが耳にする機会も少ないですし、
生活スタイルが大きく変わった現代では
豊作祈願の重要性を説いてもいまいちピンと来ません。
今でも飾ることが多い鏡餅を中心に話しましょう^^。
歳神様については家族を見守ってくれる神様と
さらりと説明するのがオススメです^^。
もともとのお年玉のお餅を分けた人の意図と、
現代にお年玉をくれた人の気持ちを結びつけると、
大切に使おうと意識しやすくなります。
ちょっとでも貯金しなきゃという気持ちが芽生えるかもしれませんね。
お年玉の由来は?
お年玉はお金ではなく、もともとお餅でした。
お餅の材料は言わずと知れたお米ですが、お米とは
1年の始まりから秋まで人の手を加えてようやく実る食べ物です。
それに、お米は暖かい地域の植物なので、気温が上がらなければ、
お米は育たずたちまち飢饉にみまわれます。
今の税金として納めた時代もあるくらい、お米は高級品だったのです。
つまりお米を材料にしたお餅も、正月だからといって
そう簡単に用意できるものではなかったのです。
そんなお餅は、神様の祝福を受けた魂を象徴する食べ物でした。
ついでにお雑煮の意味などに関する記事も読んでみてください。
歳神様を迎えておもてなしをして、歳神様に新年の幸運や恵みとして
魂を分けてもらうというのが、本来のお正月。
歳神様から毎年頂く魂の数を数えれば、それは年齢になります。
数え年は、母のお腹の中にいる間から魂が宿ると考え1歳から数えて、
その後からはお正月で年を重ねるのは、
お正月に歳神様に魂を分けてもらうからなのです。
この魂を毎年新たに頂くことで、1年を無事に過ごすことが
できると伝えられていました。
神様からの目に見えない魂を目に見える形にしたものがお年玉のルーツだったのです。
お年玉の意味は?
お正月は年が明けて山から下りてくる歳神様をおもてなしする行事です。
年末に大掃除してピカピカにするのも、正月飾りも歳神様を迎えるためのもの。
例えば、
門松 = 歳神様が迷わずに下りてこられるように目印になります。
鏡餅 = 下りてきた神様がくつろぐ居場所の意味合いがあります。
神様が宿ったことによって、鏡餅には歳神様の魂、
つまりは年魂(としだま)が込められた特別なお餅になります。
この特別なお餅を食べる料理がお雑煮です。
食べて体内に取り込んで神様の魂を体に宿せると考えられていました^^。
その土地によってお雑煮の具はさまざまですが、
必ずお餅が入っているのはこのためです。
ただ昔は家長制度が根強く、お餅も贅沢品であったため、
家長の許可なくお餅に手を着けることは許されませんでした。
つまり年魂の恩恵は、家長や屋敷の主人しか受けられなかったのです。
歳神様の居場所となっていた鏡餅は飾る時期を終えると、
家長や主人が家族や使用人に年魂を分けました。
また年の賜物という意味からお年玉と呼ばれるようになったという説もあります。
いずれにせよ、神様から家長や主人へ、
家の主から他の家族や使用人たちへと目上の人から、
目下の人へ祝福や恩恵を分け与えるという意味があったのです。
お年玉はなぜお金なの?

本来のお年玉は、歳神様の祝福を受けたお餅を、
家長が家族に分け与えて、その年の健康や幸福を祈るという習慣でした。
しかし、江戸時代までときが進むと、産業や商業が発展して、
庶民が自給自足の農民ばかりではなくなりました。
例えば、大きな商家では、その商家の主が家族だけでなく、
使用人にまで歳神様の魂を分け与える必要が出てきます。
しかし、たくさん使用人がいるような大きな商家だとしても、
そんなに全ての使用人に配れるほどのたくさんの鏡餅を飾るとは考えにくいですよね。
しだいにお餅ではなく、物品やお金を贈る家が出てきたのです。
江戸が終わり、明治、大正と時代が進むと、農業がどんどん衰退して、
サラリーマンが増えていきました。
お餅はお金を出せば簡単に購入できるものになり、
貴重さや神聖さが失われて都会を中心に
お年玉にはお金を渡すのが一般的になっていったのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、お年玉の意味や由来、そして子供に簡単に伝える内容を
調べてみました^^。
お年玉の相場についてはこちらを読んでみてくださいね^^。
ただ、お餅からお金へ渡すものは変化しても、
目上の人が目下の人へ贈るものであることは変わりありません。
大人であれば師匠と弟子、主人と使用人のような関係が
お年玉をやりとりする間柄でしょうが、
現代ではこのような関係性を持つことじたいが稀です。
自然と子供だけに渡すことが多くなり、
お年玉は子供に渡すものというイメージが定着したのです。
せっかくですから、お年玉の意味なども一緒に
子供に話をしたうえで、渡すなどしてみてはいかがでしょうか^^。
いつもと反応が違うかもしれませんね。